A02-4:ナノ構造形成・新機能発現における電子論ダイナミクス
研究組織
研究代表者 |
押山 淳 | 東京大学大学院工学系研究科・教授 |
計算物性科学、研究統括、研究策定 |
研究分担者 |
岩田 潤一 | 東京大学大学院工学系研究科・特任講師 |
計算物理学、実空間法の開発と応用 |
連携研究者 |
重田 育照 | 大阪大学大学院基礎工学研究科・准教授 |
量子化学、実空間法の開発と応用 |
研究分担者 |
宮崎 剛 | 物質材料研究機構・主幹研究員 |
計算物理学、オーダーN法の高速化と応用計算 |
研究分担者 |
尾崎 泰助 | 北陸先端大学院大学先端融合領域研究院・准教授 |
計算物質科学、オーダーN法の開発と応用計算 |
研究分担者 |
土田 英二 | 産業技術総合研究所・研究員 |
計算物質科学、オーダーN法の開発と応用計算 |
連携研究者 |
内田 和之 | 東京大学大学院工学系研究科・助教 |
計算物性科学、実空間法の開発と応用 |
連携研究者 |
平山 博之 | 東京工業大学大学院理工学研究科・教授 |
表面界面物理・ナノサイエンス、ナノ構造実験 |
研究協力者 |
D. R. Bowler | U College London, Reader |
計算物理学、オーダーN法の高速化と応用計算 |
研究概要
ナノメートル・スケールの複合構造体の物性解明、特性予測が科学と工学における喫緊の課題となっている。本研究課題の目的は、量子論の第一原理に立脚した高速電子状態計算手法を開発・応用し、こうしたナノ物質の物性解明、新現象探索を行い、コンピューティクスによる物質デザインを行うことである。本研究課題においては、実空間アプローチとオーダーN法を手法の軸にすえる。Car-Parrinello型の分子動力学法を実空間で実行する、超並列アーキテクチャ上での高効率コードを開発し、非平衡ダイナミクスの解明に挑む。密度行列に基づくオーダーN法は、超並列アーキテクチャ上での高効率化を第一の目標とする。超並列アーキテクチャでの高度化は、A01稲葉班、高橋班との密接な共同を行う。線型方程式の解法にはA01張班との連携を深める。また、バイオ物質で重要になる分散力を記述する枠組みを構築する。物質デザインの具体的なターゲットとしては、(1)次世代半導体テクノロジーの主要構造と目されている、Siナノワイヤー構造の安定性、作成の指針提示、電子状態、電流電圧特性解明、(2)炭素ナノ物質における新機能探索、特にナノ構造を作りこんだときの電子相関効果の解明と新物性予測、(3)環境フレンドリーであり、また光スピントロニクスへの応用が期待される窒化物半導体の欠陥同定と欠陥利用の機能探索、(4)自由エネルギー探索による蛋白質中のプロトン移動機構とそのダイナミクス解明、(5)オーダーN法による複合ナノ構造、とくに生体系、電解質系における界面物性の解明、を計画している。