A03-11:スピンエレクトロニクス材料の探索
研究組織
研究代表者 |
佐藤 和則 | 大阪大学大学院工学研究科・准教授 |
固体電子論・統括と多階層連結シミュレーターの開発と応用 |
研究分担者 |
小田 竜樹 | 金沢大学大学院自然科学研究科・准教授 |
物性理論・電界印加第一原理MD法の開発と応用 |
研究分担者 |
小倉 昌子 | 大阪大学大学院理学研究科・助教 |
物性理論・オーダーN手法開発と応用 |
研究分担者 |
野崎 隆行 | 大阪大学大学院基礎工学研究科・助教 |
物性実験・磁気異方性制の実証実験 |
連携研究者 |
黒田 眞司 | 筑波大学大学院数理物質科学研究科・教授 |
半導体物性工学・自己組織化ナノ超構造デザインの実証実験 |
連携研究者 |
吉田 博 | 大阪大学大学院基礎工学研究科・教授 |
マテリアルデザイン・多階層連結シミュレーターの応用と評価 |
連携研究者 |
朝日 一 | 大阪大学産業科学研究所・教授 |
電子材料工学・自己組織化ナノ超構造実証実験の評価 |
連携研究者 |
鈴木 義茂 | 大阪大学大学院基礎工学研究科・教授 |
物性実験・磁気異方性制御法実証実験の評価 |
連携研究者 |
赤井 久純 | 大阪大学大学院理学研究科・教授 |
物性理論・オーダーN手法の応用と評価 |
連携研究者 |
下司 雅章 | 大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター・特任講師 |
物性理論・自己組織化ナノ超構造のデザイン |
研究概要
超省エネルギー次世代エレクトロニクスの候補であるスピンエレクトロニクスの実用化への大きなブレークスルーのために次にあげる第一原理マテリアルデザインと実証実験の連携研究を行う。(1)自己相互作用補正を導入した第一原理電子状態計算と運動学的モンテカルロ法により、磁性半導体や磁性合金の多階層連結シミュレーションを行い、自己組織化によるナノ構造生成の高精度なデザイン手法を開発する。とくに、ナノ構造を有する磁性半導体の実用的なスピントロニクス材料としての可能性を探る。実証実験をサポートするためにデザインした物質の力学的安定性を予測し、構造を安定化させるドーピング法を提案する。得られた知見を、低次元のナノ超構造形成を利用した希土類金属を用いない環境調和世界最強磁石のデザインへ応用する。また、実際のデバイスに近いサイズのシミュレーションのために、オーダーN法を用いたスピンエレクトロニクス材料多層膜の電子輸送現象の大規模計算も進める。(2)重金属表面に積層された磁化薄膜に誘電体を接合させた薄膜を主な対象とし、電界を用いた磁気状態制御法の設計と実証実験を行う。相対論的擬ポテンシャルによる第一原理分子動力学法と、有効遮蔽媒質法による電界印加計算コードを開発し、各電界値での構造最適化と磁気異方性エネルギー計算を行い、界面の誘電性と磁気異方性との関係を調べる。磁化薄膜MgO/Pt/Fe/Pt(001)やMgO/Fe/Au(001)について研究を行ったのち、Pd金属基板、CoやNiの磁性元素等の物質依存性を明らかにする。誘電体として強誘電体やマルチフェロイック物質等についても検討し、スピン注入磁化反転が起こり易くなるための一般的物質設計指針を明らかにする。