コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

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A02:超短時間領域におけるグラフェンの電子・格子結合ダイナミクスの研究

研究組織

研究代表者
北島 正弘 防衛大学校理工学部応用科学群応用物理学科・教授
フォノンダイナミクス、研究総括

研究概要

グラフェンは、その高い対称性に由来してバンド構造がフェルミ面近傍で円錐状となり、室温における量子ホール効果の発現など、様々な特異な物性を示すことから盛んに研究されている。
グラフェンを用いた素子が動作する周波数領域は格子振動の振動周波数に近く、さらに、グラフェンは大きなKohn異常を起こすことが理論・実験的に示されていること等から、電子・格子相互作用のダイナミクスを解明することは、基礎的に重要であるばかりでなく、応用的にも、次世代材料デバイスの実用化に有用な情報を与えるものと期待できる。

本研究では、このようなグラフェンの2次元格子中に局在したDiracキャリア(電子・正孔)が、格子とどのように結合して緩和するかを調べるために、サブ10 fsレーザーパルスによる超高速測定を行う。特に、Dirac point近傍のエネルギー領域において、光照射によって生成されるコヒーレントな格子振動が、非平衡光励起キャリアやバックグラウンドのキャリアとどのように相互作用するかを明らかにする。
また、キャリアの種類や密度に対する依存性や、Landau減衰など特異なバンド構造に起因する現象がダイナミクスとしてどのように現れるかなども研究する。特に超高速測定における、コヒーレントフォノンや電子応答に着目し、電子格子間の結合ダイナミクスを詳細に調べる。

連携研究者

  • 武田 淳(レーザー分光、超光速分光) [研究室ウェブサイト]
    横浜国立大学大学院工学研究院・教授
  • 末光 眞希(半導体表面界面工学、グラフェン試料作成)
    東北大学電気通信研究所・教授

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