A02：超高速レーザー分光によるカーボンナノチューブ・蛋白質複合体の実時間ダイナミクス

研究組織

研究代表者

長谷宗明

筑波大学大学院数理物質科学研究科・准教授

カーボンナノチューブ（CNT）をタンパク質で修飾できれば、生体内で薬を運ぶことができるナノマシンとして有望視できる。しかし、CNT―タンパク質間の結合の選択性や相互作用の詳細については、分子間力やクーロン相互作用という仮説があるが、未だ十分な理解が得られていないのが現状である。

そこで本研究では、CNTとタンパク質複合体の相互作用に着目し、フェムト秒パルスレーザーを光源とした時間分解コヒーレントフォノン分光法を用いて、CNTあるいはタンパク質を選択的に光励起した際の構造変化ダイナミクスを実時間領域で研究し、将来のナノマシン創成の為の基礎的物理学的知見を得る事を目指す。

さらに、CNTを選択的に高密度光励起した際に誘起されるCNTの構造変化についても、時間分解透過率変化測定および、キャリア－フォノン相互作用（変形ポテンシャル）を考慮した時間依存シュレーディンガー方程式を用いた理論解析により、その実時間ダイナミクスを明らかにする。