コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

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A02:グラフェン構造を持ったシリコン平面二次元格子のエピタキシャル成長

研究組織

研究代表者
平山 博之 東京工業大学大学院総合理工学研究科・教授

研究概要

本研究はシリコン(Si)原子がグラフェンと同様に平面内に2次元六方格子を持って配列した ”silicene”のエピタキシャル成長過程を実験的に探索し、計算科学との緊密かつ相補的な連携によりその成長基礎過程や成長の必要条件を明らかにすることを目的とするものである。

最近、Ag(110)および(100)表面に1原子層以下のSi原子を供給すると、Si原子がグラフェンと同じように平面内に配列したsiliceneのフレークが表面に形成されることが発見された。しかしフレークの形状は面方位で異なり、サイズはナノ以上に大きくならない。そこで完全なsilicene成長の実現を目指し、Ag (100)や(110)表面より高い格子整合性を持つと予想されるAg(111)表面上などの系に対するsilicene成長について成長条件を詳細かつ系統的に振った実験を行い、成長の様子を、in-situ STM/STSを用いて原子レベルで観察する。得られた結果を計算科学グループと協力して解析することにより、Siの基板原子との相互作用や、Si-Si原子間の相対的配置がsilicene成長にどのような影響を与えるか明らかにしていく。


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