コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

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A03:シリコン中原子空孔の量子状態シミュレーション

研究組織

研究代表者
斎藤 峯雄 金沢大学理工研究域・教授

研究概要

シリコン結晶中で原子空孔の挙動を解明することは、シリコン結晶の品質の問題と関連し重要である。これまで、単原子空孔や複原子空孔といった小さいサイズの空孔に関しては、実験科学ならびに計算科学によって詳しく調べられてきたが、より大きなサイズの空孔に関しては、十分な理解が得られていない。最近、シリコン結晶に対して超音波計測が行われ、極低温において欠陥に由来する弾性定数の低下(ソフト化)が観測された。本手法は、商業用高品質シリコン結晶の品質評価法として注目されているが、観測されている欠陥の同定は十分ではない。本研究ではソフト化の原因を明らかにするため単原子空孔、10原子空孔、12原子空孔を取りあげる。これらの欠陥に対して,信頼性の高い計算を行うには、大きなサイズのスーパーセルを用いた大規模な第一原理計算を行う必要がある。本研究では、並列化されたコードを用いて、この様な計算を行う。幾何学的構造を最適化し、空間的に広がった軌道を計算する。また、スピン軌道相互作用を取り入れた計算により、特異な磁性を明らかにする。さらに、極低温における量子揺らぎを考慮してシミュレーションを行う。

連携研究者

  • 石井 史之
    金沢大学理工研究域・助教

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