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- [A02] 武田 淳(研究代表者)
A02:グラフェン関連物質の電子・格子結合ダイナミクスとナノ空間フォノン波束の高感度検出
研究組織
研究代表者 |
武田 淳 | 横浜国立大学大学院工学研究院:教授 |
研究概要
グラフェンはその高い対称性に由来した特異なバンド構造により、室温における量子ホール効果の発現など様々な興味深い物性を示す。
また、THzで動作する高速トランジスタやモードロックレーザーの可飽和材料としての応用が期待されている。
これらの諸特性はグラフェン特有の電子状態と格子との相互作用から生じているため、その電子・格子結合ダイナミクスを明らかにすることは基礎的にも応用的にも極めて重要である。
本研究課題では、金属ナノ構造の表面増強ラマン(SERS)効果を利用することにより、1-2層グラフェンの波長分解コヒーレントフォノンを高感度で計測する。
波長分解を行うことで、Dirac点近傍のバンド分散の影響を詳細に調べる。また、高品位グラフェンをシリコン上に作製し、ゲート電圧・光強度・温度を変えてフェルミエネルギーを変調することにより、系統的にグラフェンをはじめとしたカーボン系ナノ物質の電子・格子結合ダイナミクスを明らかにする。
更に、超短パルスレーザーの幅広いスペクトル幅を利用して、Dirac点における特異な分散を反映したDモードコヒーレントフォノン波束をインパルス的に生成する。フォノン波束の伝播・緩和の様子を高感度に実時間計測することにより、ナノスケール・フォノン波束の振る舞いを実験的に明らかにする。
これらを通して、グラフェン関連物質の非平衡キャリア・格子間結合に対する知見を理論研究者に提示する。
連携研究者
- 末光 眞希
東北大学電気通信研究所・教授 - 片山 郁文
横浜国立大学大学院工学研究院・准教授