A02：ナノ接合での熱電変換と局所加熱、熱散逸の第一原理シミュレーション

研究組織

研究代表者

中村恒夫

産業技術総合研究所ナノシステム研究部門・主任研究員

研究概要

ナノスケールでの電気伝導では伝導の量子性が重要になってきます。最近の理論計算方法の発展によって、バリスティック伝導の第一原理計算が可能となってきました。
しかし、伝導現象において重要な、ジュール熱に代表される局所加熱や熱散逸･熱伝導についてはまだ十分な取り扱いはなされていません。
そこで、我々は電子だけでなくフォノン伝導や電子－フォノン相互作用ダイナミクスを同じ計算レベルで取り扱う第一原理計算手法の開発と実装を行います。
最終的には計算シミュレーションにより、ナノ接合系・コンポジット系における局所加熱や熱散逸、熱電性能指数の高精度計算を可能にすることが目的です。
具体的には、

(1) 半無限電極表面フォノンを、接合の次元に併せて正しく繰り込んだフォノングリーン数計算と電気伝導計算を融合した、熱電変換の第一原理計算プログラムの開発。
(2) 電極、接合領域での局在・非局在フォノンを取り込んだ、局所加熱の第一原理シミュレーション。
(3) 架橋接合での局所フォノン－フォノン散乱効果のフォノン伝導への取り込み。
(4)フォノンドラッグによるゼーベック係数の補正項の計算理論の構築

といった課題に取り組んでいきます。

研究室ウェブサイト

連携研究者

浅井美博
産業技術総合研究所ナノシステム研究部門・副研究部門長

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