A03：グリーン関数法に基づく電子励起ダイナミックス計算コードの開発

研究組織

研究代表者

大野かおる

横浜国立大学大学院工学研究院・教授

研究概要

電子と格子の複合相関の問題において、電子励起状態のダイナミクスを扱うことができる第一原理計算手法の開発が望まれている。多体摂動論に基づくグリーン関数法によれば、電子励起状態の全エネルギーと基底状態の全エネルギーの差である準粒子エネルギーをグリーン関数の極から計算できるので、電子励起状態において各原子に働く力を計算出来る。
本研究では、全電子GW近似に基づく精密な電子状態計算法にしたがって、電子励起状態における全エネルギーと各原子に働く力を計算できるようにする。

また、時間依存密度汎関数理論（TDDFT）の枠組みで、時間依存Kohn-Sham方程式と原子速度との結合項を正確に取り扱うことにより、非断熱過程を通して電子が励起するプロセスをシミュレーション出来るようにする。

本研究はこれらの計算が可能なハイブリッド並列化したプログラムを作成し、実行することを目的とし、孤立系、結晶系を問わず原子軌道関数と平面波で全電子状態を記述できる第一原理計算手法である独自開発の『全電子混合基底法』プログラムTOMBOを用いる。

研究室ウェブサイト

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